HIZUMI Interview

HIZUMI
●8月16日に渋谷REXでのNUL.でのライヴを終えWESTでのライブが近づいてきましたが、HIZUMIさんが改めてバンド形態でやろうって思ったキッカケは何だったんですか?
「自分としてはバンドをやるとなった時に、喉のせいで迷惑をかけてしまうんじゃないかって不安があったんですよね。新しいバンドを組んだとしても、自分のせいでバンドが止まらざるを得なくなった時に責任を取れるのかな?っていうことを、どうしても考えてしまって。それでなかなか踏み出せないまま、何年も経ってしまってたんです。だけど、ある先輩と飯を食いに行った時に “音楽やらないの? 迷惑なんてかければいいじゃん”って言われて(笑)。俺の中にその発想って一切なかったんですよ。やりたいけど迷惑かけてしまったらなってずっと思ってたから、そう言ってくれたことで凄く気がラクになって、じゃあ1回ダメ元で “ 迷惑かけていいですか”って岸さんに言いに行こうって思ったんです」
●岸さんとは、そもそもどこで出会ったの?
「1番最初はD’espairsRayがメジャーデビューした時のプロデューサーが岸さんだったんですよ。これあんまり表に出してない話なんですけど、実は岸さんとはD’espairsRay解散後に、ゲームの音楽を作る仕事を一緒やったこともあったんです。その時に“また一緒に何かやれたらいいね”って話をしてたし、新たにバンドをやるなら岸さんがいいなぁと思っていたので、ストレートに“岸さん、音楽を改めてやりたいんですけど、迷惑かけてもいいですか”って言いに行きました(笑)」
●返事は?
「ぜひやろう!って」
●経緯を聞くと、復活にあたり先輩の一言が凄く大きかったんだなって感じますね。
「そうですね、その一言がなければそもそも新しくバンドを始めるってこと自体無かったと思う。僕のことをいろいろ解った上で、“やりたいなら、今やった方がいいよ”って言ってくれて。改めて歌うことって、俺にとっては凄くエネルギーを使うことだったんですよ。動き出す原動力やパワーっていうのかな?そういうことって強い精神力が無いと出来ないので、 それを蓄える意味でも時間がかかりました」
●また音楽をやりたいって気持ちは、ずっと持ってたわけですね。
「このまま歌わないまま終わったら悔いが残るなって気持ちはずっとあったから。だから、先輩のその言葉が背中を押してくれたという感じですね。迷惑をかけるかも?って躊躇っていた気持ちよりも、歌いたいって気持ちを上回らせてくれたのがその一言だったなって思います」
●5年前、Zepp DiverCityでのイベントライヴで、D'espairsRayとして4曲やったじゃない?あの時はどんな気持ちだったの?
「あのライヴはバンドの15周年だったんですよ。元々メンバーと何かやりたいねって話していたところにイベントの誘いがあって、出ることにしたんです。でも当初、俺の中では15周年イベントとして何かやるとしても、D'espairsRayでやるって考えは無かったんですよ。セッションバンドとか、他のバンドを呼んでのイベント企画かなって思ってました。でもせっかく15周年だし、やるなら少しでもD'espairsRayの曲をやれればって話になって、じゃあやってみようかってことでやった4曲だったんです」
●あの日、久々にHIZUMIさんの元気な姿を見れたので、ここからもしかして何かに続いていくのかな?と思いきや。
「その後も活動はしなかったですね。あのライヴに出たことで、気が付いたことも多々あったんです」
●それは?
「フルのライヴはやっぱり厳しいって実感しましたね。もし新たに始めるとしたら、ピッチはどこに定めてどんな歌い方なら喉に負担がかからないのか、研究しなくちゃ出来ないなって」
●歌を続ける為に、メロディや歌唱法から負担のこない音楽を練りあげる必要があったわけだ。
「そうなんです。だからNUL.は楽曲もいろいろと考慮して作られてるんですよ。どうすればフルのライヴが出来るか、かなり研究してスタートさせました」
●今だから言えることだけど、あのDiverCityでのライヴの時は、大丈夫かな?って少し心配になるところもあったんだよね。戻ってきてくれたのは嬉しいけど、やっぱり本調子ってわけにはいかないのかなっていう印象が残ってしまった。
「俺自身もそれはやってて感じてました。この状態ではやっぱり出来ないなって。実を言うとD'espairsRayの曲のほとんどが俺のピッチよりも半音、1音ほど高いんです。もちろんそれでエモさが出たりとか、良い部分もあるんですけど、本調子じゃない時はそれが如実に弱点になってしまう」
●それってトレーニングではどうにもならないことなの?
「俺と同じ症状が出たけど復活できた人もいるんです。トレーニング方法もある。でも原因は人それぞれ違うから改善されるかどうかは分からない」
●なるほど。
「あと、歌い方を変えることで復活できた人もいるんです。だけど、歌い方を変えるのは良いと思うんですが、声色まで変わってしまうと自分としても違和感があるし、その声色で復活したとして、聴いた人はどう思うんだろう?とも思いました。もし俺に好きなヴォーカリストがいたとして、違う声色で復活したら、嬉しい反面ちょっと悲しい気持ちになるなって。これはあくまで俺の個人的な考えですけどね。だから、 声色を変えて復活するっていう選択肢は俺の中にはありませんでした。「本当に歌いたければどんな歌い方になろうと歌うだろう」って考えも無くはないから、もしかしたらこの考え方は甘えなのかもしれないけど……。でも、やっぱり違う声色で歌うっていうのは、自分が表現したいものとはちょっと違うなと思うから。これってプライドみたいなものなんですかね?」
●歌うことだけじゃなくて、その表現方法も大切に考えているこその考え方なのでは?
「そうなんですかね?だから自分の表現したいものと歌を研究したんです。結果、今NUL.では自分が歌える歌でちゃんと表現したいものを表現できていると思います」
●この間のNUL.のライヴでは、喉の調子が悪かったことなんて全く感じなかったです。
「まぁかなり気を張ってやってるんですけどね(笑)。岸さんとMASATOには、やっぱり負担をかけているなって思うんです。例えば、デモとして作曲者が作ったメロディを自分が歌えるようにガラッと変えたりすることもあるわけですから。自由に変えていいよとは言ってくれるけど、やっぱり作曲者としてはこうしたいってものがあると思いますしね」
●ちなみにNUL.っていうバンド名は誰が決めたの?
「俺が何個か候補をあげてみんながピンときたのが “NUL.”だったんです」
●いろんな意味を感じさせるバンド名ですね。で、NUL.の曲はどんな感じで作ってるの?
「基本的には作曲者が作った原曲を、作曲者と俺の2人でメロを中心とした基本形を作り上げていくって形ですね。で、8割くらい完成したら3人でって感じです。オケに関しては作曲者の意向が強いんだけど、たとえばライヴを想定した時に“ここはもっと強いリフにしたい”とか“もっと盛り上がる展開にしたい”とか、そういう意見が出てきた場合は作曲者に伝えますね」
●原曲を作る前段階でこういう曲を作ってほしいってHIZUMIさんからオーダーすることはあるの?
「それはほぼ無いですね。楽曲が上がってきてからアレンジの方向性を伝えることはありますけど」
●ということは、大前提としてバンドで表現したい音楽の方向性がメンバー間で共有できてるんですね。
「原曲としてどんなジャンルの楽曲が上がってきたとしても、世に出た時点ではNUL.色になってると思います。判断基準としてはカッコいいか、そうじゃないかってだけの単純な話なんですけどね。俺も岸さんもMASATOも、元々ジャッジの基準や楽曲の好みが似ていると思うし」
●みんな共通して好きなアーティストとかいる?
「Nine Inch Nailsや、gary Numanはみんな好きだと思う。あのあたりのインダストリアルなサウンドが好きなのは共通してるんじゃないかな?でもインダストリアルって結構閉鎖的な楽曲が多いから、NUL.ではメロディや構成は考えて、聴きやすさやアタマに残る感じも意識しつつ作るようにしています
●NUL.を始める時、バンド編成は考えなかったの?
「考えなかったですね。バンド編成にすると、D'espairsRayの方向性に寄ってしまう気がしたし。やるならD'espairsRayとは全然違うことをやろうっていうのは念頭にありました。編成からちょっと変わった感じにもしたかったし。
●編成と言えば、ドラムがいないっていうのは、NUL.の大きな特徴だと思うんだけど、それはサウンド的なこだわりがあってのことなんだよね?
「生身のドラマーには物理的に叩けないリズムで表現できるものもあると思うんです。それが結果的に独自性を生むとも思いますし。だから、さっき話したようにバンド編成じゃない形でって思ってたんですけど、岸さんと一緒にやることになって、どういう編成にする?って話になった時、岸さんからギタリストが欲しいって言われたんですよ。それで真っ先に頭に浮かんだのがMASATO。でもMASATOはdefspiralもあるし難しいかなって思ったんだけど、話してみたらやってみたいと引き受けてくれて」
●MASATOさんとは解散後も密に連絡は取っていたの?
「そうですね普段から何かと連絡取る仲ですね。そしてMASATOからもずっと歌わないの?と言われてました(笑)」
●なるほど。じゃあ岸さんの希望が無ければ、今とは全然違う編成で歌っていた可能性もあったってことだ。
「そうですね、逆にMASATOもバンド編成だったら、やらなかったんじゃないかな?defspiralがありますし」
●HIZUMIさんが歌うって聞いたファンは、歌ってくれて嬉しい気持ちと同時に、D'espairsRayの復活も頭をよぎったんじゃないかな?
「それはあるでしょうね。だけど今それぞれにバンドがあって、所属事務所も違って、解散した時とはいろいろなことが変わっているから。ただそういうことを置いておいても、もっと時間をかけて、各々が今の目標を達成した時に、D'espairsRayはやるべきじゃないかなって。これはメンバーみんな同じ想いだと思う。期待しないでっていうわけじゃ無いけど、今は各々やるべきことがあるって感じかな?メンバー同士も仲良いから、絶対に無いってことではないんですけどね。次の段階にステップアップした時にやりたいなっていうのが正直な気持ちです」
●メンバーも日々新たな目標に向かってるわけですもんね。
「ありがたいことに今でもいろんなところから“復活しない?”って話は来るんです。海外からも、“メンバー全員じゃなくてもいいから何人かで集まってイベント的なことをやりませんか?”とか。でも俺としては、メンバーが1人でも欠けている状態ではやりたくないんです。そこにいないメンバーのファンが悲しい気持ちになるような事態は避けたいから、メンバーが全員揃わない場所でD'espairsRayを彷彿とさせるようなことは、例え復活じゃなかったとしても出来ない。お話をいただけること自体、本当にありがたいんですけどね」
●やるなら絶対全員揃ってだと。
「やっぱりD'espairsRayは大事なバンドだから」
●しかし今でも熱い復活コールを受けるって凄いことだよね。
「もう解散から8年も経つんだけどね」
●解散してもファンの心の中には何年経っても存在しているものなんですよ。
「そうですね。……そういえば、deadmanも今年復活しましたけど、眞呼さんも長い間歌ってませんでしたすね?それなのにすぐフルのライヴが出来るって凄いですね」
●ですね。deadmanが活動している間にNUL.と一緒にやれる機会があるといいなぁと思いました。
「それ面白そうですね(笑)」
●11月1日のO-WESTでのライヴに向けて、今はどんな気持ちですか?どんなことを考えてますか?
「どこまで実現可能かわからないから、言える範囲に悩むな……。まだ詳細まで決定しているわけじゃないから、今の段階で言える事は少ないんですけど。音はもちろん演出にはこだわりたいなって思ってます」
●REXで見られなかった方もたくさんいるわけですからね。
「そうですね、また新曲も聴かせられると思うので。うちらがやれることって良い曲を作って見せることだと思うから、そこは頑張りたいですね」
●D'espairsRayをなぞるわけではなく、ヴォーカリストとしてもバンドとしても新しいものを作ろうとしているところですからね。
「うん、だからWESTでそれを確認してもらえればと思います」

Interview : Reiko Arakawa (zoisite)


2019年 11月1日(金)TSUTAYA O-WEST

stage:1[XStream]OPEN 18:00 / START 19:00
プレイガイドにてチケット一般販売中!


ローソンチケット
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【TEL】0570-084-003

イープラス
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☆チケット料金:前売り ¥4,500- / 当日 ¥5,000-(税込)
オールスタンディング / 入場整理番号有り / ドリンク代別
整理番号順の入場です。未就学児童入場不可、営利目的の転売禁止
小学生以上チケット必要、売り切れの場合当日まで販売未定。

問)TSUTAYA O-WEST 03-5784-7088
主催・企画・制作:NUL.
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